終焉の黒い霧

INTENSE ディレクター 岩田

前作から引き続きディレクターを務めさせていただきました、インテンスの岩田です。

気が付けば脱出アドベンチャーシリーズも5作目。なんと2周年を越え、3年目に突入中です。
これもひとえに、様々な方のお力添えと皆様の応援があってのこと。
本当に感謝してもしきれません。

私事で恐縮なのですが、僕がインテンスに入社して最初に担当したプロジェクトが
シリーズ第一作目の『旧校舎の少女』でして、いわばこのシリーズと一緒に
自分も歩みを進めてきた、と考えるとなにか感慨深いものを感じます。
(単純に歳をとっただけのような気もしていますが)
つい先日、昔の資料をまとめる機会があり、一年目のころに書いたプロットや
自分用のメモが出てきました。
そこにはアイデアなどと一緒に「クロノテクトいっこ欲しい」という走り書きが。

……残念ながら、2年越しの悲願は未だ叶うことはなさそうです。

SS

と、想い出トークはここまでにして。

今作『終焉の黒い霧』では、いままで以上にハードな状況が繰り広げられます。
その過酷な運命を受け入れるのか、それとも最後まで抗うのか。
主人公の若留と一緒に、プレイヤーの皆さんも大いに悩んでみてください。

……もしかしたら、それ以前に探索パートで悩んでしまうかもわかりませんが、
そこは頭をひねったり、ヒント機能を使ったり、ときにはお友達の力を借りてでも
(Miiverse、良い機能ですね)、最後まで諦めず頑張ってプレイしていただけると幸いです。


最後に。
脱出アドベンチャーシリーズ5作目となった『終焉の黒い霧』。
節目ということで今まで以上に気合を込めた渾身の一作ですが、
皆様に楽しんでいただけたなら、それより嬉しいことはございません。

INTENSE ディレクター 岩田 巳義

INTENSE ディレクター 福田

脱出アドベンチャー シリーズディレクターの福田です。

今回のタイトルは「終焉の黒い霧」です。何やら不穏な事態を予感させる
タイトルとなっていますが、開発初期の企画書の段階では「終焉の少女」でした。
少女とはいったい?もちろん新キャラのことです。
では、なぜ「少女」から「黒い霧」に変わったかというと、
できるだけタイトルから内容を想像できるようなワードを入れたかったからです。
このシリーズは3作目まで「旧校舎」「館」「列車」など
脱出場所を想像できるようなワードをタイトルに入れてきました。
4作目は「赤い石」としてシナリオの内容に深く結びつくワードを入れています。
そして今回の5作目は少女から黒い霧というワードに変更して、
より終焉の世界のイメージを想像しやすいタイトルにしました。
少女だと1作目と被りますし。

SS

ちなみに1作目「旧校舎の少女」の企画書には、
単に「学園モノ脱出ゲーム(仮)」として、タイトルは書いていませんでした。
2作目「魔女の住む館」は、企画書では「逢魔の神隠し」でした。
シナリオを練る段階で、方向性を少し変更したのがうかがえます。
3作目「悪夢の死神列車」の企画書は「死神列車の時刻表」です。
時刻表って?ちょっと面白いタイトルになるところでした。
4作目「シアワセの赤い石」の企画書は「死合わせの朱い石」。
ストレートすぎましたね。

ということで 、今回のタイトル「終焉の黒い霧」に
含まれるワード「終焉」の意味、そして「黒い霧」の正体は
実際にプレイして確かめてください。

INTENSE シリーズディレクター 福田 尚己

シナリオライター 下村

はじめての方も、そうでない方も、こんにちは。
世俵と二人三脚で、シリーズのシナリオを紡いできた、下村健と申します。

早いもので、1作目の『旧校舎の少女』から2年が経ち、
5作目となる今回のタイトルは『終焉の黒い霧』……
ここまで若留たちの物語を追って下さったみなさんならば、
いろいろ想像が膨らむのではないでしょうか?

噂、怪談、都市伝説の類――
町が、生徒が、人々が口にし、広がったことから始まった冒険の数々。
春、夏、秋ときて、冬。
高校1年最後の季節が“終わり”を迎えた時、
果たして若留たちは、どうなっているのでしょうか。
恐ろしげな“黒い霧”とやらに、呑みこまれてしまうのでしょうか?

SS

ここでひとつだけ、ぼくからみなさんに向けての、ちょっとワガママなお願いです。
もし、この5作目『終焉の黒い霧』からシリーズを始めようと思っている方がいたら、
本当に申し訳ないですが、できればそれ以前の4作を押さえた上で
“ここ”に戻ってきて下さい。
そしてすべてを“視た”上で、
若留たちと一緒にこれまでの冒険を経験した上で、黒い霧に挑んでみて下さい。
1作1作で完結している、それぞれ単体でも楽しめる、本シリーズですが、
この5作目だけに関してはきっと、そちらのほうが楽しんでいただけることでしょう。


無数に散らばる物語、数多の可能性。
主人公・若留が、この物語で、どんな結末を迎えるかは――
彼女たちと一緒に冒険をしてきた、想いを共にできる
“あなた”次第です。

またお会いできることを、切に願っております。
ではまた。

シナリオライター集団Qualia代表
下村 健

シナリオライター 世俵

前作に続き『終焉の黒い霧』でもメインライターを担当させて頂きました、世俵です。

お待たせしました!
脱出アドベンチャーシリーズ5作目ですよ!

今作の見所を一言で言い表すならば、“変化”でしょうか。
システム面でもまたまた素敵な変化がありましたが、ストーリーの方も今までとは少し違った部分があります。

たとえば、今回は町に流布する不気味な都市伝説だけでなく、前作『シアワセの赤い石』で行方不明となってしまった若留達の親友、秀ノ介の行方を追う物語となっています。

謎を追うのもいつもの三人ではないという“変化”
平和な大継町から、霧のかかった危険な町への“変化”

変わり果てた町で謎の少女に導かれ、若留達はなにを見るのか。
終焉の霧の名の通り、全ては終わってしまうのか──

SS

これまでとは少し違った雰囲気を楽しんで頂ければ幸いです。

今回はまたキメ台詞を取られてしまったのであっさり目のお別れとなってしまいますが、最後に開発者のみなさまと、このゲームをプレイしてくれた全ての人に精一杯の感謝を。

それではまたいずれ、お会いしましょう。

シナリオライター集団Qualia
世俵 まこと

キャラクターデザイナー 壱

今回も新キャラクターのデザインをさせていただきました壱です^^
『脱出アドベンチャーシリーズ』のキャラクターデザインも今回で4回目。
また若留ちゃんたちに会える~と喜んでいたのですが、なんと新キャラは女の子!
お話をいただいた時から「やった~女の子が描ける!!」とワクワクでした。

キャラクターデザインをする際に、キャラクターの特徴を教えていただくのですが、
新キャラの見た目、性格が超好みの設定だったのでテンションは上がりまくり!!
長い髪に強い意志を感じさせる眼差し、そしてダブダブで大き目のセーターと萌え袖・・・。
設定からしてもう描きたくて描きたくて仕方がありませんでした。

しかもキャラクターの仕様で「裾から覗く細い足」と「長いマフラー」の二つもあり、
私の萌えのポイントにばっちりスイッチが入りました!

そんな風に楽しく作画した新キャラですが、一体どうやって若留ちゃん達と絡んで
行くのかを想像しながらラフを描いたのがよかったのか、今回はすんなりラフにOKを
いただけました(笑)

3人

やっぱり女の子を描くのが楽しいな~^^

さて【脱出アドベンチャー 終焉の黒い霧】どんなストーリーになるのか、
私も今からドキドキしてます。黒い霧・・・気になりますよね。

みなさんも一緒にドキワクしていただけたら嬉しいです^^


それでは、壱でした~!

キャラクターデザイナー 壱

サラマンダー・ファクトリー

脱出アドベンチャーシリーズをプレイしていただいている皆様、はじめまして。
音まわりを制作させて頂きました「サラマンダー・ファクトリー」です。

アンケートでBGMを気に入った旨のご感想をいただけているようで、とても嬉しく思っています。
この度、五作目発売にあたり何かコメントを…とのお話がありましたので、
全エピソードをきちんとプレイした上で、記憶を鮮明にすべくシリーズ一作目からのBGMを聴き返してみました。


かれこれ二年ほど前の2012年6月上旬に、疑問・焦燥→探索→分解中の
三曲から作曲を開始させて頂いているのですが、
この三曲は謎の推理や集中力を研ぎ澄ますシーン用という事で、
ピコピコいう一定のフレーズを延々と繰り返しつつ
メロディ的な部分からも極力情緒を廃して、空虚感や不安感を抱く事を念頭に、
クロノテクトの時計や機械っぽさにも通じるように作りました。
聴く回数が最も多く、脱出アドベンチャーシリーズのイメージと結びついた曲と
なったのではないでしょうか。

当初は「旧校舎の少女」というタイトルはまだ決まっていなかったと記憶していますが、
オカルトテイストのある脱出ゲームという事で、作りながらとてもわくわくしていたのを覚えています。(その後プレイして、シナリオの仕掛けに度肝を抜かれました!)


一作目からあった日常の曲が昼間の学校生活での楽しい部分とすると、
二作目「魔女の住む館」で放課後の校内・街中探索時に追加された曲は、
夕暮れが近づきつつアンニュイな時間帯だけれど、活動的にあちこちを探索して回るという、
対比となる曲にしました。
とても気に入っている曲の一つで、ゲーム中で流れる探索シーンもプレイしていて
無性に楽しくなってしまいます。

三作目「悪夢の死神列車」で増えた曲は、
よりマッタリした日常と、直接的に押し出した恐怖感、クライマックス、と
ストーリーの振れ幅の大きさを効果的に演出できたのではないかと思っています。
プレイしていて「もしかしてこれは…?」と話の構造に思い至った所に
ドーンとクライマックスの曲が流れたので、盛り上がり過ぎてドキドキしつつ、
シーンと音楽のハマり方にニヤニヤしてしまいました。

四作目「シアワセの赤い石」では、もっと不気味な雰囲気の探索と、
答えに近づこうとより集中する場面の曲を新たに作曲させて頂いていますが、
「不気味」「より集中」という発注時に頂いたキーワードだけで
曲のイメージはすぐに固まったものの、さすがにイメージが固まっても
勝手に完成はしてくれないので、そのイメージを音にする事に集中したのですが、
「恐怖感」「不気味」というイメージは作っている間にどうしても慣れて麻痺してしまうので、
作っては間を置いて聴き返して物足りない部分を強調して…と、少々自虐的な作り方にもなってしまっています(笑)。

それにしても、四作目の結末にも衝撃を受けました!(よね!?)
そして、その衝撃の直後に作曲したシリーズ五作目「終焉の黒い霧」がいよいよ配信です。
新曲はPVやゲーム内でのお楽しみという事にしておきますが、
新曲がかかるシーンがどうなるのかとても楽しみにしています
(配信前にこの文章を書いています)。
シナリオには毎回衝撃を受けていますが、それとは違う方向の小さな仕掛けをひとつ、
BGMにも組み込んでみました。
気付いていただけたら嬉しいです。


全曲への言及ではありませんが、こうしてシリーズを追って振り返ってみると、
心象風景が増えたりストーリーが核心に迫るにつれ、
よりストーリーに寄り添ったBGMを作って来ていた事がよくわかりました。
これは、エピソード単位での配信がもたらす長所なのではないかと思います。


またBGMだけでなく、シリーズを通して用いられる決定、
キャンセルといった効果音につきましても
作品のテイストを加味して「主張し過ぎない程度にスタイリッシュなもの」を心掛け
耳につく帯域を削ったり、かすかに残響を加えたりといった工夫を凝らして作成しています。
作品中には沢山の効果音が使用されていますが、BGMはもちろん、時には効果音にも耳を傾けてくださいね。


音が伝える事ができるのは、文章の意味や描写ほど具体的でも、
グラフィックで描かれる表情や情景ほど直接的でもありません。
しかし、今回こうして振り返った事で、音楽は場面やプレイヤーの心情を盛り上げる事の
お役に立てているのかな、と改めて思う事ができました。
この点でも脱出アドベンチャーシリーズに関われた事に感謝しています。



毎回楽しんでいますのでもちろん今回も楽しみですが、
節目の作品という事で寂しいような気分もあります。
今作をクリアしても、また違うエピソードで登場人物やプレイヤーの皆さんとお会いできますように!

サラマンダー・ファクトリー

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